Dream*13 ページ15
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阿部くんとの甘い時間も終わって､ひと休み。
ソファに座ると､すぐ隣に阿部くんも座った。
｢来週会社行くの怖いな…｣
｢なにがそんなに怖いんですか？｣
｢だってもう社内で広まってるだろうし｡｣
週末を挟んでいるとはいえ､あの後の出勤はなかなか怖い。
｢もし何かされたら俺が守ってあげますから｡｣
阿部くんは優しいから真剣な眼差しで私にそう言ってくれる。
｢大丈夫､もう私もいい大人だし阿部くんに頼ったりしないから安心して？｣
｢俺のせいでAさんが傷つけられるのは嫌です｡そんなの耐えられない｡｣
｢ふふ､心配しすぎだよ｡｣
｢Aさんがよくても､俺が心配｡｣
｢…ねぇ阿部くん､さっきからそれ心臓に悪い｡｣
｢なにが？｣
｢タメ口､急に使うじゃん？｣
｢あぁ…嫌でした？｣
｢ううん､全然｡｣
｢じゃあ2人きりのときは敬語やめようかな｡｣
｢うん､そうしてよ｡｣
なんだか嬉しそうな阿部くんの様子を見て､思わず頬が緩む。
｢かわいい｡｣
｢え､なに急に､｣
｢今の笑った顔､かわいいなって思って｡｣
｢私より阿部くんの方がかわいいよ｡｣
付き合う前から感じていたことだけど､かわいさに関しては私の方が確実に負けてると思う。
｢前から思ってたんだけど､｣
｢ん？｣
｢その“阿部くん”っていうのやめない？｣
｢え､なんで｡｣
｢俺だって名前で呼んでほしいから｡｣
そんな目で頼まれたら私が断れないって知ってるでしょ？
｢…亮平くん｡｣
｢ふふ､嬉しい｡｣
｢これから2人きりの時は名前で呼ぶね｡｣
｢会社では呼んでくれないの？｣
｢それは…無理です｡｣
｢え〜なんで｡｣
｢公私混同はよくないよ？｣
｢ふは､真面目｡｣
｢私実は真面目なの｡｣
｢でもAさんのそういうところも好き｡｣
｢私も亮平くん好き｡｣
｢……｡｣
｢亮平くん？｣
｢なんかまだ慣れなくて､名前で呼ばれるの｡｣
そう言った亮平くんの耳は真っ赤に染っていた。
本気で照れてることが伝わってきて､こっちまで恥ずかしくなってくる。
｢ふふ､かわいい｡｣
｢からかわないでよ…｣
普段は大人っぽいのに､たまに見せる年相応の姿。
私はどっちの亮平くんも愛おしくてたまらない。
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作者名：夏目 | 作成日時：2024年3月26日 17時
