Dream*14 ページ16
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「先輩、阿部くんと付き合ってたなら言ってくださいよぉ。」
「あぁ…うん、ごめんね、なかなか言えなくて。」
「いいなぁ、阿部くんが彼氏なんて羨ましいですぅ。」
「あはは…ありがとう。」
やっとの思いで自分のデスクに到着する。
今日でこのやり取り何回目なんだろう。
楓以外は知らなかったから当たり前なのかもしれないけど、いい加減疲れてきた。
ちなみに照からは朝早くに“阿部ちゃんとお幸せに。”っていうメッセージが送られてきた。
きっともう社内で私と亮平くんが付き合ってるって話は知れ渡っていると思う。
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「Aさん、今から昼休憩ですか?」
昼休み。
楓の協力もあり、最近は亮平くんとすごすことが多くなった。
「う、うん。」
「じゃあ一緒に行きましょ、俺もまだなんで。」
亮平くんの隣を歩くと、周りの視線を痛いほど感じる。
正直まだ怖い。
どこかに隠れてしまいたくなる。
「Aさん今日は何食べたい?」
「え、なんで、」
2人きりじゃないのにタメ口?そう聞こうと思ったのに。
亮平くんが私にそう話しかけてから周りからの視線が一気に減った気がした。
もしかして今のはわざと?
「Aさんが傷つくのは嫌だって言ったでしょ?」
顔を近付けて、耳元でそう囁く。
近い距離に心臓がドキリと跳ねる。
「すごい、私が考えてたこと分かったの?」
「分かりますよ。だって俺、彼氏ですから。」
いたずらっぽく亮平くんが笑う。
その笑顔、ずるいよ。
もっと亮平くんに夢中になっちゃうじゃん。
「早く行かなきゃ昼休み終わっちゃうよ。」
「っわ、」
まだここは会社の中なのに、誰に見られてるかも分からないのに、私の手を取って歩き出す。
でもその手を自分から離そうとはしなかった。
もう誰に見られようが関係ないやってふっきれた。
ねぇ亮平くん。
君はまるでバラの花みたいだね。
危ないって分かってても触れたくなる。
これ以上踏み込んだら抜け出せなくなるって分かってるのに、もっと近づきたくなる。
こうやって君の魅力にどんどんハマっていくの。
でも私はちっとも怖くなんかない。
だって私のそばにはいつも君がいるから。
君と一緒なら愛に溺れるのも悪くない。
ねぇ亮平くん、私は君が大好きだよ。
Fin
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作者名:夏目 | 作成日時:2024年3月26日 17時