ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

似顔絵 ページ19

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源先輩と捜査をした翌日、交番の公務ももちろんこなさないといけないので、いつも通り交番で仕事をする。目の前では、川合がパトカーを拭いている真っ最中。


『あ、川合ここ！拭きあげ甘いよ？』


車体の一部を差しながら指摘すると、「あっ、すみません。」と返ってくる返事。予想外の返事に思わず藤先輩と2人で「『何それ。』」と言ってしまう。


川合「え？」


『いつもと違う、つまんない。』


藤「いつもなら、ううー藤さぁん、白馬さぁん。きっと将来立派な姑さんになれると思います、ううー。とか言うじゃん。」


川合「私そんなにうーうー言ってます？」


『めっちゃ言ってる。』


思わず私と藤先輩で笑っているが、川合はいつもと違って表情が固まったまま。


川合「…あの、何か進展ありましたか？」


藤「ないって。」


川合「そうですか…」


明らかに悲しそうに返事をする川合を思わず見つめてしまう。


伊賀崎「3人とももう上がっていいよー。」


『あ、はい！』


ハコ長の言葉に3人で帰り支度をしようとしていると、「こんにちはー。」と来客が現れる。


藤「あーこんにちは！」


『こんにちは！』


伊賀崎「あー、振り込め詐欺の時の…」


川合「木村さん！」


『何かありました？』


木村「いやそれが、事件のことを娘に話したら毎週来てくれるって。」


藤「あー！良かったあ！」


『振り込め詐欺の対策で1番有効なのは家族の絆ですから！』


木村「これあの、この間のお礼。良かったら皆さんで。」


伊賀崎「あららすみません。」


ハコ長が差し出された紙袋を受け取ろうとしたため、思わずハコ長の手を抑える。


『有難いんですけど、こういうの貰えないんです。』


木村「いやぁ、もうそんな事言わないでよ。危うく葬式代全額持っていかれるところだったんだから。あなたち恩人だもの。」


藤「木村さんが交番に来てくれたおかげですよ。」


木村「あら、違うわよ。あのね、これのおかげ。」


そう言って木村さんが出したのは、川合が描いたチラシだった。


木村「ここに“私にお気軽に相談して”って。これ見てなかったら絶対騙されてた。」


木村さんが指差すそのチラシの絵を改めて見つめる。その絵は、独特なタッチだけど、しっかり特徴を捉えている。


『藤先輩、』


そう言いながら顔を上げると目が合った藤先輩は同じことを考えていたようで


藤「川合。」


川合「はい。」


藤「ちょっと一緒に来て。」

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