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TETSUYAオフィスで打ち合わせ中の2人。
「こうこうこうで、Aが佐久間くんの衣装を…」
*相変わらず説明雑
「…はぁ」
TETSUYAの話が全く頭に入らない。
「聞いとんかコラ!」
怒られた。
「つか、なんやねん今日」
前髪を目の下までおろし、薄い色つきメガネに黒マスク。さらにフードを深く被ったAはストーカーぽさ満載。
「今日、見せれん顔で…」
理由は、昨日放送された「リビ松さん」第10話を見たから。
ーーーーー
「泣きすぎて酷い顔なんか」
「はい…」
例の水族館シーン。
向井担なら少なからずショックを受けた?のではないでしょうか。
『これは俺の大事な仕事やから、“健ちゃん”としてドラマを楽しんでいただけたらうれしいです。』
康二はSNSでそう発信してたけど。
Aとしては、昨日の今日で気持ちが切り替えられないといったところだ。
ーーーーー
「俳優、向井康二を楽しんだらええやん」
TETSUYAはそう言うけど。
「そうなんですけど…」
どうしても複雑な気持ち。
「なんやお前、康二の事、応援したらんのかい」
「頭ではわかってるけど、気持ちが追いつかない…」
ウジウジしてる。
「康二とやる事やっとんやろ?」
なんか、唐突だな!
「やる事、とは…?」
「せっ「言わないでー!!!」
遮った。
「愛し合っとるんやったら何も心配ないやんけ」
「まぁ、そう…なんですけど」
「Aのリアコ?思ったら、わからん気もせーへんけど」
「けど、お前らはお互い高め合うような関係なってったらええねん」
TETSUYAにしては珍しく、康二とAの問題に食らいついてくる。
「康二はアイドルやけど、俳優とかバラエティとかこれからまだまだ振り幅期待される男やねん」
「うんうん」
激しく同意。
「で、Aは一流スタイリストなるんやろ?俺を超える」
「そうです!」
Aさん、ちょっと元気出てきた。
「Aはずっと康二の担当(衣装セレクト)やればいい言うたけど。康二だけに括らんともっと幅広げたらええねん」
「康二くんだけじゃなく?」
「実際Aは評判ええんやで」
*先日発売された写真集は爆売れ中。特にAが手掛けた康二の衣装が人気。
「てことで、手始めに佐久間くんの衣装やってもらう事なったから。来週の朝の情報番組や」
「佐久間さんですか」
康二以来の衣装セレクト。どうなる事やら…
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時