ルシエルブルー2《S.Watanabe》 (ページ36)

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"霧島様、いつもご利用くださいましてありがとうございます。
またぜひいらしてください"

宮「霧島、って霧島ホールディングスか」

「霧島ホールディングスって…あの、大手の…」

美容業界では知らない人はいないほどの
大手の中の大手企業。

そんな人たちと翔太が…、仕事関係かな…。

翔太と、若い女の人と、
ダンディな男性と綺麗な女性。

宮「あれは社長と、その奥さんだな。
翔太の隣にいるのは娘か。
奥さんもかなりやり手の人でまた別の会社の社長やってんだよな。あの娘もたしか役員で…何かの雑誌で見たな」

「そんな人たちが、どうして…」

男性"じゃあ渡辺くん。今後ともよろしく頼むよ"

女性"渡辺くん、何かあったらいつでも連絡してね"

娘"ちょっと、もういいから、翔太くん困ってるし"

渡「ありがとうございました、またぜひ」

そう言って、その3人は高級そうな車に乗って去っていった。

宮「翔太」

渡「うわっ！？！？…涼太かよ、ビビらせんなよ
って、え、A何してんの？」

宮「あ、俺が誘ったの
ここの招待券もらっちゃって。」

渡「へぇ…？」

私を上から下まで分かりやすくチェック。

「…そんなに見ないでよ」

宮「可愛いよねぇ、Aちゃん。いつもと違うし。」

渡「別に、普通じゃん？
2人ともタクシーか、一緒に乗せてよ」

こんな自由な翔太にタクシーで帰る途中で
あの企業との繋がりを聞いてみると、

新たにオープンする予定の翔太の系列店に
霧島ホールディングスが開発する美容品を置いて宣伝してほしいとのこと。

資金援助もしてくれるみたいで、社長自ら来たらしい。

顔の広い翔太のお店で商品を置くと爆売れするという実績もある。

宮「それは分かったけど…それだけで家族ぐるみで来るかね…、なんか裏を感じる」

渡「いや、ただのご厚意よ」

宮「まあそれならいいんだけどね」

なぜか私が助手席に乗ってるタクシーの中。

あの娘さん、ずっと翔太にくっついてたし…
商談なら社長だけでいいのに。

嫌な予感がする。